鬼一法眼三略巻
一段目
舞台は平清盛一行が熊野参詣に向かう洋上。
清盛の御供には播州書写山の青松院性慶と近臣平広盛などが付き従っている。清盛は保元の乱を鎮めて昇進が叶ったのも一つには熊野権現への信仰の賜物であると言い、海から見る山々の風情、名所の数々を語って聞かせる。そこへ平宗盛の使いの船が漕ぎ寄せて、清盛の留守を狙って、藤原信頼と源義朝が謀反を起こし上皇と帝を幽閉したことを告げる。宗盛からは清盛に急いで都へ戻って欲しいと伝えられるが、かねてから謀反を起こす様子に気づいていた清盛は、あらかじめ平重盛に指示してあるので抜かりは無いと落ち着き払う。清盛は再び酒を酌み交わそうと言い、何か珍しい肴はと言ううちに鱸が船に飛び込む。清盛は早速この鱸をさばくようにと申し付けるが、性慶はこれから参拝する熊野権現は本来薬師観世音なのであるから、精進のために殺生はするべきではないと止める。そうして性慶が鱸を海へ戻そうとすると清盛は怒り性慶の頭を扇で打ちすえて、唐土に伝わる縁起を引き合いにだし、鱸の鱗は義朝の鎧兜に似て、また色の白いのは源氏の白旗に通じる。その鱸が清盛の船へ入ったとは義朝を滅ぼす瑞兆であると言い、骨、はらわたも全て食べ尽くすべきであると言い放つ。そこへ再び知らせの船が漕ぎ着けて、藤原惟方、藤原経宗によって上皇と帝は六波羅の清盛の館へ移され、謀反を起こした信頼、義朝の軍も平重盛によって討ち滅ぼされた事を報じる。清盛はかねてから惟方、経宗に謀り、もしもの時には上皇と帝を助け出すようにと打ち合わせていた事を明かして、自分の巡らせた罠に義朝がかかった事を喜ぶ。また熊野の八庄司は源氏譜代の豪族なので、このことを聞いたならば謀反の企てを起こすかもしれないと言い、広盛には熊野に留まるようにと指示する。清盛は四年前、源為義に味方した別当弁真を都へ来させて切腹させたが、その妻が当時妊娠中と聞き、もし生まれて来た子が男であったならば即座に殺すよう平太諸賢に指示しておいた。しかし、その後何の音沙汰も無かったと言い、もうこれ以上弁真の家族を生かしておく必要もないので、弁真の残された家族を殺してしまえと広盛に命じる。そして性慶の事は御座船から小さな端船に移し、熊野浦へ着いたならば、そのまま放逐するようにと命じ、清盛は船を進める。

一段目
舞台は熊野の権現松に参詣する人々が行き交う道。
清盛の怒りをかい熊野の泰地の浦で船を降ろされた性慶は道すがらに権現松へ御参りする人々を目にして、土産物を売る女にその由来を尋ねる。女はその権現松の御利生を語り、性慶に筵の上で休んで行くようにと勧める。性慶は女が土地のものであると知り、四年前に切腹した別当弁真の妻子の行方を知らないかと尋ねる。女は少し驚いた様子で、どうしてそんな事を聞くのかと聞き返す。性慶は弁真とは昔なじみであり、四年前の切腹のことを聞いた時にも急いで駆けつけたかったが、思うに任せず、ただ朝夕の回向をしていたと話し、このたび熊野まで来たのも熊野権現への参詣と弁真の妻子を探し出して、恩返しをするつもりであった事を話す。これを聞いた女は自分が弁真の娘、梛の前の乳母飛鳥というものであり、自分の父親坂上文藤次のもとに弁真の妻と梛の前を引き取って世話していると話す。そして飛鳥は弁真の妻がこの七年もの間、懐妊したまま子供が生まれずにいることを語りはじめる。それはまだ弁真が存命中のこと、男子の無いのを憂いた弁真は熊野権現に願掛けをし、長刀を賜る夢を見るとまもなく妻が懐胎した。しかし1年、2年と月日が過ぎてもお産が無く、そのうちに弁真は切腹させられ家督は没収された。その上、生まれてくる子が男子ならば即刻殺害されることに決まっていて、毎日役人が様子を見に来るといった有様であると話す。性慶は飛鳥の話しを聞き、清盛の横暴がまかり通る世を嘆く。そして、義朝の謀反が失敗に終わった顛末を性慶から聞いた飛鳥は驚き、義朝軍にいた吉岡鬼次郎という者の消息を知らないかと尋ねる。吉岡という名は聞いていないが、何か縁のある人かと性慶から尋ねられた飛鳥は、吉岡鬼次郎は父文藤次の甥で梛の前の許嫁であると話す。また、鬼次郎の弟鬼三太も父文藤次の家にいると打ち明ける。性慶は清盛が弁真の妻子を殺すように広盛に命じていたことを話し、一刻も早く戻って方策を考えるようにと言う。また性慶がこの話しを漏らした事は言わないで欲しいと頼むと、飛鳥は熊野権現の誓紙に代えて土産物の土製の烏を三つ石に打ち付けて割り、性慶を安心させる。性慶は弁真の妻子の力になる事を約束し、飛鳥の案内で文藤次の家へと急ぐ。

一段目
舞台は文藤次の家。
弁真の妻は梛の前の乳母飛鳥を頼って、その父文藤次の家に身を寄せている。今日も拾った石に経を書き付けて亡き弁真の菩提を祈り、またお産の無事を祈っている。七年もの間、出産できないでいる事を恐れ、嘆き悲しむ弁真の妻に、娘の梛の前は同情し二人は涙に暮れる。そんな二人を気の強い鬼三太は叱り、無事に男子を生んだなら、決して清盛に殺させるような事はさせないと大きな声で力付ける。これを聞いた文藤次は外へ聞こえるのを恐れ、鬼三太をたしなめる。そして帰りの遅い飛鳥を心配した文藤次は鬼三太を迎えにやる。鬼三太が出て行くと、腹の子の様子をみるために平太がやってくる。文藤次は懐妊ではなく病気に違いないと言い繕おうとするが、平太は聞かず清盛公が熊野権現の参拝に来ていることを告げて帰って行く。清盛が熊野へ来ていると聞いた一同は、平太の報告によっては、どんな目にあうかも知れず不安におののく。そこへ広盛を連れた平太が戻ってくる。広盛は亡き弁真の妻子を殺すようにとの清盛公からの指図であると言い、妻子を渡すよう文藤次へ申し渡す。文藤次は清盛と「生まれた子が男子ならば、その子を殺す」とは約束したが、妻や娘の命を取るとは言わなかったはずであると言って、引き渡しを拒否する。そこへ血気にはやる鬼三太が駆け戻り、平太を投げ飛ばすと刀を抜き、多勢を相手に切り結びながら外へ出てゆく。ところが広盛ひとりが密かにとってかえし、文藤次を切り、また弁真の妻も殺してしまう。やがて鬼三太が戻ってくる声を聞いた広盛は奥の障子を蹴破って裏の山道を逃げて行く。そこへ性慶を連れた飛鳥が戻り、手負いになった父と弁真の妻の亡骸を見つけ悲嘆にくれる。ところが弁真の妻の息は絶えていたにもかかわらず、体が動き、やがて広盛によって切られた傷口から、血に染まった赤子が誕生する。赤子はすぐに歩き出し、一同を驚かせる。手負いの文藤次は飛鳥から性慶の素性を聞き、生まれた赤子を飛鳥と共に書写山へ連れて逃げて欲しいと頼み、これを聞いた性慶は快諾し熊野を逃れ出る。平太の打ち首をさげて戻った鬼三太に向かい、文藤次は事の次第を語って梛の前の供をして許嫁の鬼次郎を見つけ出し渡すようにと命じる。鬼三太はその役目を引き受けるが、手負いの叔父を捨てては行かれないと躊躇する。そんな鬼三太を文藤次は叱り、行かないのならすぐに腹を切ると言って無理矢理二人を落ち延びさせる。ひとり残った文藤次のもとに清盛が広盛の案内で現れ、文藤次は広盛に殺される。清盛はいよいよ天下を欲しいままに出来ると広言し、都へ戻って行く。

二段目
「道行故郷の巡礼歌」
西国巡礼へ向かう鬼三太と梛の前(名をお京と変えている)の道行。

舞台は播州福井宿に近い田舎家。
梛の前の乳母飛鳥はこの田舎家で独り暮らしをしている。すでに十三年の年月が流れて、老女となった飛鳥は中風を患い、杖を頼りに歩くような姿となっている。そこへ鬼三太とお京の二人連れが通りかかり、少し休ませて貰いたいと頼む。お京と飛鳥は顔を見合わせ、再会を喜ぶ。飛鳥は鬼三太に別れ別れになっている鬼次郎の様子を問う。鬼三太は鬼次郎の討死の噂も、落ち延びたという話しも聞かなかったため、都に潜伏しているのではないかと、梛の前を知り合いに預けて、方々を探しまわり、それでも見つからなかったため、関東方面へも探しに行って頼朝に面会して来たことを話す。梛の前も名をお京と変え、あちこちの屋敷に奉公して暮らしていたが、許嫁の鬼次郎の事が忘れられず今でも待ち続けている心を明かす。飛鳥は熊野で生まれた弁真の子が鬼若と名付けられ、書写山の性慶のもとにいる事を話す。また弁真が夢の中で熊野権現より賜った長刀の箱を見せ、鬼若が晴れて出家し、性慶の弟子となってくれれば、この長刀を渡したいと思っていると言う。しかし鬼若は学問嫌いの腕白で、鬼若の噂を聞くたびに心痛で老け込んでしまったと話す。そんな飛鳥をお京と鬼三太はなぐさめ、明日は書写山に登って鬼若に対面したいと言い、鬼三太は食べ物を買うために独り福井宿へと出かける。旅の疲れもあるだろうからと、飛鳥はお京に横になるようにと言い、お京は奥の部屋へ入って行く。飛鳥も囲炉裏の傍で横になる。

街道で追いはぎ家業をはたらく二人連れが土手を通りかかり、商売敵の盗賊を見つけて強請りにかかる。しかし男は軽々と二人を投げ飛ばして退治する。二人の追いはぎが逃げ失せると、男は飛鳥の小屋を見つけて食べ物にありつこうと戸を蹴破り中に入る。男は食べ物か酒はないかと飛鳥を脅すが、気丈な飛鳥は何でも持って行けと言う。男は家の中を探しまわり、長刀の箱を見つけて持って行こうとするが、それを見た飛鳥は男の裾に取り付いて、それは大事な預かりものだから、与えるわけにはいかないと止める。二人が争ううちに行灯が倒れ、闇となる。お京は騒ぎに気づき、静かに様子をうかがう。そこへ鬼三太が戻り、中に盗賊を見つけて、闇の中での格闘となる。お京が柴を囲炉裏に投げ込み、あたりが明るくなり盗賊の顔を見れば、探していた兄鬼次郎であることに気がつく。四人は思いがけない再会を喜び合い、鬼三太は兄鬼次郎に義朝公の謀反のあとの様子を聞く。鬼次郎は討死の覚悟でいたが、義朝の意向により佐々木源三らとともに都に残る源氏側公家を守るため生き延びたと話す。そして、鞍馬山にいた牛若丸にも対面し、西国にいる源氏の浪人たちを集めて再び源氏の世に帰そうと、野山を家として暮らして来たと言う。鬼次郎は梛の前と夫婦になり、平家を滅ぼし、弁真の仇を討つ決意を示して鬼三太には、現在平家方についている兄鬼一法眼の心底を探り、もし心から平家方の人間になっていたのであれば、殺すようにと命じる。鬼三太は兄鬼次郎と梛の前(お京)の婚礼を飛鳥に頼み、自身は都へ向かう。

二段目
舞台は書写山
播州一の霊場である書写山の寺々。そのなかでも徳の高い性慶の寺は門前も掃き清められて一層美しく清らかな姿をあらわしている。そんな性慶の寺では、今日は日頃にも増して念入りに拭き掃除がなされ、花なども飾って来客の到着を待っている。口さがない稚児たちは今日から性慶のもとで一緒に学問を習う広盛の子岩千代の噂をし、また物覚えの悪い鬼若を誹っている。すると間もなく家来団平に連れられて岩千代が到着する。性慶が出迎え、座敷に案内するが、固めの杯をかわす段になっても鬼若が出て来ず、性慶は鬼若を呼び出す。すると戸を押しあけて大きな鬼若が現れ、団平は兄弟子鬼若との杯をかわすよう岩千代にすすめる。岩千代は杯を鬼若に差し出すが、鬼若はそんな小さな杯で酒を飲むのは嫌いだと言って樽の鏡を破り、酒を飲み干してしまう。また、せっかくの杯も乱暴に投げつけて戻したために、砕け散ってしまう。性慶は「心を砕いて勉学に励め」という鬼若の座興であろうと取りなして、学問はじめにと一句ずつ弟子達に音読をさせ始める。しかし、鬼若は番が回ってきても読む事が出来ず、岩千代から失笑される。怒った鬼若は岩千代の頭を拳骨で殴り、見かねた団平は鬼若の腕をねじ上げて、仕返しの拳骨を見舞う。性慶は団平と岩千代に向かい、鬼若の無礼を詫びて奥の庭を案内しようと皆を連れて奥に入る。そこへ鬼次郎、お京夫婦に付き添われた飛鳥が書写山を訪れる。お京は熊野で別れて以来、久しぶりに見る鬼若を亡き母の形見とも思い、涙にくれる。飛鳥からお京を実の姉であると紹介された鬼若は、便りもくれなかった姉を恨んでいたが、こうして会ってみれば、やはり肉親の親しみを感じると言って喜ぶ。鬼次郎は鬼若に義理の兄であると告げ、飛鳥から聞いた日頃の腕白をたしなめる。鬼若はその言葉を遮り、勉強も手習いも修行していると答える。飛鳥はそんな鬼若の言葉を打ち消し、日頃の不器用な修行ぶりを語る。姉夫婦の前で日頃の不器用を披露された鬼若は、実は出家させられたくないばかりに覚えた事も分からないふりをしてきたと言う。飛鳥は鬼若の言う事を疑い、それならばと守り袋の中から経を取り出して、その名を答えてみよと問う。鬼若は見事に答え、そのうえ経を読んで聞かせる。しかし納得できない飛鳥は今度は巡礼の笠に書かれた字を読んでみよと差し出す。鬼若はその字を読み、その心をも爽やかに語り一同を感心させる。飛鳥は長刀の箱を出し、弁真の死や母親の懐胎、その死について鬼若に話す。母を殺したのは広盛と聞いて、鬼若はその子岩千代を手にかけようと立ち上がるが、真の敵は清盛だと鬼次郎に止められて思いとどまる。飛鳥は鬼若がいよいよ出家を嫌がるのを見て嘆き、どうか父母の恩に報いるよう出家して欲しいと頼む。鬼若は、出家させられるのなら、その前に岩千代を殺したいと再び立ち上がるが、足をつねって折檻をくわえる飛鳥の心情に、泣く泣く思いとどまり寝入ってしまう。奥の部屋から性慶が戻り、鬼次郎、お京は長い年月にわたり飛鳥や鬼若の面倒を見てくれた性慶に礼を述べる。飛鳥は鬼若が寝ているうちに頭を剃ってしまいたいと性慶に頼むが、自分から出家したいと思わないうちは、発心とは言えず、折をみて説得した方がよかろうと飛鳥をなだめる。そして、かねてから出家の志をもっていた飛鳥を剃髪のため、お京とともに仏間へ連れて行く。また鬼次郎はこの間に観音さまに札を上げて来ると言って出て行く。すると独り寝入っていた鬼若のもとに岩千代や団平が戻り、先ほどの腹いせに、鬼若の顔に墨を塗り付ける。周りの笑い声に目を覚ました鬼若は長刀を鏡に自分の顔を見て、いよいよ怒り暴れ出す。騒動に驚いた飛鳥がお京の肩にすがりながら、尼の姿で出てくる。飛鳥は鬼若を叱り、お京とともに謝るが、怒った団平は飛鳥を蹴飛ばし、飛鳥は息も絶えだえとなる。鬼若の怒りは増し、団平の家来を相手に暴れながらも飛鳥を心配して傍らに駆け寄る。するとその隙を狙って団平が切り掛かるが、かえって投げ飛ばされて死んでしまう。鬼若は岩千代をも殺そうとするが、鬼次郎に止められ返報にと墨で岩千代の顔を汚す。鬼若は息を引き取った飛鳥にすがり、小さい頃から父母のかわりと思い、慕い甘えてきた飛鳥を失った悲しみに声をあげて泣く。そして、亡き飛鳥の望んだ出家をするのが供養であると言って、形見の長刀で自分の頭を剃り始めるが、親の仇を討つ武士の心も捨てない決心で「武を蔵する」武蔵坊。また父弁真の「弁」と深い恩のある性慶の「慶」を取り、武蔵坊弁慶と名乗る事を宣言する。性慶は鬼若の新たな門出を祝い、弁慶は飛鳥の菩提を弔って欲しいと性慶に頼んで都へ旅立つ。

三段目
舞台は清盛の館

保元の乱、平治の乱を勝ち残った平清盛は、太政大臣となり権勢をふるう立場になっている。そんな清盛の館へ出仕した広盛は、かねてから命じられていた弁慶の行方の捜索と鬼一法眼の所持している虎の巻を手に入れる事について清盛から厳しく追及される。広盛は鬼一法眼が病気のために出仕できず、病気が治り次第出仕して古来よりの作法に従ってお目にかけるつもりであると言ううちに短気な清盛は広盛の言葉を遮り、鬼一法眼は源氏の侍で、義朝滅亡の時に殺されるはずのものであったが、所持している虎の巻欲しさに命を助け、公達をはじめ平家の指南役として莫大な俸禄を与えていると言う。その恩を思えば、無理にでも出仕させるべきだと清盛は広盛を責めるが、広盛は今日中に虎の巻を差し出すか、鬼一法眼が出仕するか二つに一つの返事しか受け付けないと言い渡したので、鬼一法眼の娘、皆鶴が間もなく来るはずであると報告する。また、広盛は鬼一法眼の弟子笠原湛海を清盛に面会させ、鬼一法眼の二人の弟鬼次郎、鬼三太の行方をこの湛海に探らせれば、弁慶の探索にも役に立つに違いないと言上する。湛海は清盛に向かい、鬼次郎、鬼三太の事は何も知らないが、自分は皆鶴にぞっこんで、清盛の力で縁組みをさせてくれるのなら婿養子となった後に計略を企てた上、鬼次郎、鬼三太、弁慶を捕らえてみせると語る。そこへ皆鶴が現れ、湛海は皆鶴にすり寄る。広盛は清盛の御前で無作法な真似をする湛海に帰るよう促すが、清盛は笑って口説き落とすことが出来たら鬼一法眼の跡取りにし、うまく行かなかったなら鼻をそぎ落とすと言う。湛海はこの時とばかり皆鶴に言い寄るが、皆鶴は湛海のような剣の腕前で鬼一法眼の跡取りになろうとは図々しいと、にべもなく断る。湛海は清盛の御前で皆鶴と勝負し、もし湛海が勝てば縁組みを承知してもらいたいと言い出す。皆鶴は断るが、どうしても引き下がらない湛海に仕方なく戦うことになる。伺候の人々が見守るなか、皆鶴は湛海を打ち負かし、湛海は「畳が滑って・・・」と言い訳をしながら逃げ出す。清盛は皆鶴の腕前を褒め、虎の巻を持ってきたのかと尋ねる。皆鶴は持参の箱を取り出して、秘伝の書なので、密かに見ていただきたいと清盛に差し出す。清盛は大事な書物であるならば、広く人に知られる方が良いであろうと言い、皆鶴に読み上げるよう命じる。なおも躊躇する皆鶴に広盛も清盛の意向通りに読み上げるよう命じる。皆鶴はこれ以上辞退するのも失礼であろうと読み上げ始めるが、その内容は国を治める心構えを述べた後に、その心構えの無い清盛の横暴を諌める子重盛からの教訓状であった。重盛の諫言に清盛の機嫌は悪くなり、広盛は重盛の名を騙っているに違いないと皆鶴を責める。皆鶴は御前に出る前に重盛本人から「是は日本の虎の巻」と言って、清盛のお目にかけるよう命じられたものであると答え、詳しいことは重盛に尋ねて欲しいと述べる。広盛は清盛の不行状をかばい、清盛は機嫌を直し、皆鶴には明日中に虎の巻を差し出すよう鬼一法眼に伝えよと命じて帰らせる。

三段目
舞台は鬼一法眼の屋敷

さまざまに菊が咲き乱れる鬼一法眼の屋敷では、娘皆鶴の帰りが遅いのを気にする鬼一が気散じに庭へ出てくる。庭の掃除を終えた奴智恵内が庭の隅にひかえるところへ鬼一があらわれて、菊の花壇には塵一つ残っていないにもかかわらず、松や楓、白膠木(ぬるで)の葉は捨てずにそのまま置かれているのを見て智恵内を呼びつけ、その心を問いただす。智恵内は塵であってもその用い方によっては見苦しくもなり、美しく感じられるものでもあると言い、紅葉の落ち葉はわざと掃き清めなかったと答える。智恵内の返答に感心した鬼一は、家臣を用いるのも同じことであると諭し、熊野出身である智恵内に親しみを持って自身の身の上を語り始める。もともと鬼一の父親は源氏の侍であったが、源為義、義朝親子の仲が悪かったため、源氏の行く末を危ぶみ、後の世の源氏を支えるために弟鬼次郎、鬼三太は母とともに熊野の山奥で密かに育てさせたと語る。しかし鬼一は父から「とにかく生き延びて源氏の行く末を見届け、もし大将の器であると認められる人物が現れたのならば、伝来の六韜三略を与えよ」と命じられ、父は為義、義朝の不和を嘆きながら病気で亡くなったと話す。智恵内は自分が実は弟鬼三太であると口に出したい心を抑え、鬼一に「もし鬼次郎、鬼三太が名乗り出たなら、どうするのか?」と尋ねる。鬼一はもう平家の侍で、もし源氏に味方するものであれば、弟であっても容赦なく縛り上げて清盛公へ差し出す所存であると言い、その無念さを紛らわすかのように話を逸らして煙草をくゆらせる。そこへ鬼一のもとで虎蔵と名を変え下僕になっている牛若丸が戻る。虎蔵は皆鶴の付き添いで清盛の館へ出かけていたが、清盛公と面会のあと皆鶴はすぐに平重盛に会わなければならないからと、虎蔵ひとりを帰し、明日中に虎の巻を差し出すようにとの清盛からの厳命を伝えさせる。また鬼一の弟鬼次郎、鬼三太の詮議のため湛海が乗り込んでくると聞いた鬼一は僅かに心を乱した様子をみせる。智恵内も心の内で驚くが、虎蔵に向かい鬼次郎、鬼三太は鬼一の弟で、なぜ詮議されるのか?人違いでは?と尋ねる。そんな智恵内を鬼一は止め、鬼次郎、鬼三太は源氏の味方をすると聞く。その詮議ならば知らないと答えれば済むと言い、突然智恵内に向かって杖で虎蔵を打ち据えるようにと命じる。驚く智恵内が訳を問うと、虎蔵の役割は皆鶴の供をすることであり、皆鶴が重盛の館へ行くと言うのならば、供をして平家の館を見て帰るのが本筋であろうと叱る。主君牛若丸である虎蔵を打つことができず、まごまごしている智恵内に業を煮やした鬼一は自ら杖を振り上げる。しかし、そこへ皆鶴が戻り、鬼一を止める。虎蔵ひとりを戻したのは自分であるからと皆鶴が虎蔵をかばっているところに湛海がやってくる。湛海はしっかりとした跡取りがいないために家来がのさばり屋敷内がゴタゴタするのだから自分を婿にして跡継ぎにせよと言い出す。湛海から清盛公の用向きがあると聞いた鬼一は智恵内と虎蔵に屋敷を出て行くようにと言い残し、湛海と皆鶴を連れて奥の座敷へ向かう。残された虎蔵は智恵内に向かい何故自分を打ち据えなかったのか?と責める。智恵内はたとえ命令に背いて殺されても主君を打つことは出来ないとひれ伏して詫び、その心根を思いやる虎蔵も智恵内を見つめて源氏の運の拙さを思う。鬼次郎、鬼三太の詮議ともなれば湛海の話しも自分たちの身に関わる事だろうと察した智恵内は何か方策をと言い出すが、虎蔵は宝蔵の虎の巻を奪い取る所存をあかし、智恵内には見張りを命じて兄鬼一であっても、邪魔になったら殺すようにと指示する。智恵内はまだ名乗り合うこともできない兄鬼一を殺すことは出来ないと断り、鬼一の事は虎蔵に任せ、自分が宝蔵へ忍び込んで虎の巻を取ってくると言う。虎蔵も尤もな事であると納得し、二人が決意したところ、その密談をそっと物陰で聞いていた皆鶴が現れて虎蔵の手を握り、日頃の思いのたけをぶつける。虎蔵は身分の違いを理由に皆鶴の手を振り放そうとするが、虎蔵は牛若丸であり、智恵内は鬼一の弟鬼三太であると皆鶴は口に出してしまう。そんな皆鶴を生かしておくことが出来ないと思った智恵内は皆鶴を殺す決心をし、恋い慕う虎蔵のためだと観念した皆鶴が手を合わせ念仏を唱えるところに湛海が駆けつけて、鬼三太を押しのけ皆鶴をかばう。虎蔵、智恵内が牛若丸と鬼三太であると知った湛海は清盛へ知らせようと皆鶴を連れて出て行こうとするが、その後ろから虎蔵に切り込まれ、命を落とす。虎蔵は牛若丸である事をあかし、鬼一に会って直接虎の巻を手に入れようと言い出す。もし鬼一が抵抗するのなら鞍馬山の僧正坊に習った兵法を使って打ち勝ってみせると言い放ち、鬼一のいる座敷を探して障子を蹴倒したところに、鞍馬山の僧正坊が現れる。そして、僧正坊が面と鬘を取ると鬼一の姿が現れ実は鞍馬で牛若丸を鍛え上げた人物は鬼一であったことがわかる。鬼一の祖先は源義家に仕えた家柄で、その頃は「天野」と名乗ったが、義家が奥州平定に向かったおりに本吉長岡の二郡を与えられ、その二郡から「吉」「岡」を取って「吉岡」という姓となったいわれを語る。また大江匡房から六韜三略を与えられ吉岡家は源義朝の代まで源氏の師範役を務めたと話す。義朝が亡くなり、亡くなった鬼一の父が言った通りに源氏が衰えて、鬼一が平家の指南役として召し出されることになったいきさつを話す。鬼一は吉岡家に伝わる虎の巻を大将の器に相応しい源氏の公達に伝えよと言った亡き父の遺言を守ろうと、平家からの再三の要求にも応じずにいたことを語る。源氏の頭領に相応しいと思われる頼朝は伊豆の蛭が小島にいて思うに任せず、鞍馬山の東光坊で成長している牛若丸が毘沙門堂の傍の岩窟で兵法修行をしていると聞きつけ、そっと垣間見れば、その人相に大将軍の相が現れていたと話す。何とかこの牛若丸に虎の巻を伝えたいと思っても、すでに平家のものとなってしまった鬼一は表立って牛若丸に近づくわけにも行かず、天狗の僧正坊と名乗り兵法を牛若丸に授けるため毎夜鞍馬山へ登った事を語る。その心底を聞いた牛若丸は、鬼一の厚情に涙をこぼし大地に額をつけて礼を述べる。皆鶴は虎の巻を牛若丸へ渡して欲しいと鬼一に願うが、平家の恩を受ける自分が、虎の巻を源氏に渡すことは出来ないと言いながら、懐より虎の巻を取り出し皆鶴に与えるので好きな男のところへ嫁げと言って渡す。皆鶴は喜んで虎の巻を牛若丸に与え、牛若丸は鬼一に皆鶴と夫婦になり平家を滅ぼす決意であると伝える。鬼一は虎蔵が牛若丸であることは承知していたが、智恵内が弟鬼三太である事はつい先ほど分かり、杖で牛若丸を打てと言ったのもその事を確かめるためであったと話す。鬼一は鬼三太が熊野の山奥に育っても主君を思う心を忘れず、日陰の牛若丸を支える志を捨てなかったと褒め、鬼次郎にもその心を持ち続けるように伝えて欲しいと優しさを込めて語る。鬼三太は鬼一を疑った日々を悔いて詫びるが、鬼一はそれも主君の為であり何も無礼なことではないと慰める。鬼一は唐土の出来事を引き合いに出し、牛若丸、鬼三太が下僕となったことも目出たい吉相であると述べる。牛若丸、鬼三太、皆鶴に早く逃れるよう命じた鬼一は自らの差添を抜いて腹に突き立てる。三人は驚き、止めようとするがその手を振り放した鬼一は平家の俸禄で生き延びたこの腹もかき切ってしまえば元の源氏に戻ることが出来ると言い、湛海を殺したのは鬼一だという事にして早く逃げるようにと命じる。鬼一を見殺しにできない三人に向かい、鬼一は犬死にさせるつもりかと説得する。鬼一の志を無にできないと感じた三人は、泣く泣く鬼一を置いて屋敷を後にする。

四段目
舞台は都、白川御所にほど近い檜垣の茶屋。
都へ上った鬼次郎とお京は、檜垣の茶屋に寄り、主人から清盛の様子などを聞き出そうとする。茶屋の主人の話しから義朝の未亡人常盤御前は清盛の寵愛を受けていたが、平重盛の諫言によって一條大蔵卿のもとへ十日ほどまえに嫁いできている事を知る。一條大蔵卿と常盤御前夫婦をもてなす祝いの席である今日の能にも、うつけ者と評判の大蔵卿が来ていた事を聞きだし、常盤御前は急な病気で来られず、御所での能には大蔵卿の家老八劔勘解由左衛門の妻鳴瀬が名代で付き従っている事を聞き出す。鬼次郎はお京と内々の話しがあるからと茶屋の主人を遠ざける。鬼次郎はお京に大蔵卿の帰り道を狙って対面し、屋敷へ入り込むようにと言い、また常盤御前の心底を探って源氏を思う志があったのなら、折りをみて主従の名乗りをするようにと命じる。鬼次郎には常盤御前を大蔵卿の館から連れ出す計略があるが、まずは館に入り込んで、首尾を知らせて欲しいと、お京に頼む。やがて御所での能が終わり、鳴瀬に付き添われた一條大蔵卿が出てくる。あらかじめ勘解由、鳴瀬夫婦と懇意になっていたお京は、鳴瀬の口添えもあり、狂言役者として大蔵卿の屋敷へ入り込むことになる。

四段目
舞台は一條大蔵卿の館。
狂言の舞台を終えたお京と、その相手役を務めた鳴瀬が楽屋に戻ってきたところに平広盛到着の知らせが入る。お京と鳴瀬が次の舞台へ出て行ったあと、広盛が楽屋へ来て勘解由に常盤御前の様子を尋ねる。広盛は常盤御前が大蔵卿のようなたわけ者に嫁いだ事を怪しみ、源氏の残党を集めて平家を滅ぼす企みがあるのではないかと勘ぐる。勘解由は常盤御前のそぶりに怪しい所は無いが、夜になると楊弓を始めると言う。勘解由は常盤御前が大蔵卿を避けるためであろうと推量するが、広盛は何か他に企みがあるに違いないと答えて、引き続き常盤御前の様子に気を配るよう命じる。狂言の舞台が終わり、お京と鳴瀬を連れて大蔵卿があらわれる。常日頃、平家の人々にからかわれている事にも気づかず、六波羅での扱いを語る大蔵卿を持て余し、広盛は早々に帰って行く。夜もふけて、常盤御前の部屋では楊弓が始まる。そこに鬼次郎があらわれ、小石を投げて妻お京に知らせ、庭の切戸を開けさせる。お京の寄越した手紙で、常盤御前には源氏を思う気持ちは全く無いと知った鬼次郎は、お京を連れて帰ろうとする。ふと障子を見れば、相変わらず楊弓に熱中する常盤御前の影が写り、鬼次郎はその様子に腹立たしさを堪える事が出来ず、座敷へと踏み込む。常盤御前は一心不乱に的を射て、見事に命中させ喜ぶ。鬼次郎は常盤御前から弓を取り上げ、お京とともに心配した甲斐もなかったと責める。お京は義朝の事を忘れて三度目の嫁入りをした常盤御前を涙ながらになじる。常盤御前は立場の違いによって、思うところが違うのだから、外見だけでは判別できないだろうと言い返す。鬼次郎は腹をたて、手に持った弓で常盤御前を打ち据える。弓が壊れてしまうと常盤御前は起き上がり、亡き義朝を思う鬼次郎の心を嬉しいと述べる。常盤御前は戦いの後、小さな若君達を連れて伏見まで逃れたが、追手に捕まり、若君達の命と引き換えに清盛のもとへ行った事を打ち明ける。鬼次郎は同情しながら、その清盛の手を逃れたにも関わらず大蔵卿の館で楊弓三昧をしていると常盤御前に恨み言を言う。すると常盤御前は楊弓の的にかかった覆いを取り、清盛の絵姿が描かれている的を見せる。常盤御前はその胸板を目がけて矢を射て清盛を呪っていたと明かし、人を呪う行為によって自分は地獄へ堕ちるであろうが、その罪が子供達にも及ぶのではと嘆き悲しむ。鬼次郎夫婦もともに泣き沈むところへ、勘解由が清盛の絵姿を取り上げ、六波羅へ訴え出ると言って駆け出す。騒ぎに気づき、部屋から出て来た鳴瀬は夫勘解由を止め、主人大蔵卿の罪も問われる事になると思いとどまらせようとする。しかし、勘解由は以前から大蔵卿を追い出して後がまに座る計画を広盛と企てていたと言う。止めようとする鳴瀬ともみあううちに、勘解由は後ろの障子越しに髷をつかまれ刺し殺される。鬼次郎が歩み寄り障子を取りのけると、いつもとは違って威厳のある大蔵卿があらわれる。たわけ者に夫を殺されたと鳴瀬に思われるのも忍びないと大蔵卿は若い頃から取るに足らぬ人物を演じてきたことを打ち明ける。広盛に通じ、悪意をもって勘解由が仕えていたことも知っていたが、気づかないふりをしてきたと言う。大蔵卿は源氏の大将と仰がれながら、その力に溺れて一族を窮地に追いやった為義、義朝親子に比べて、不義ものという汚名を取っても子供達を守った常盤御前の献身を讃える。そして、常盤御前は自分が命にかけて守るから安心するようにと言い、牛若丸とともに源氏の再興をと鬼次郎夫婦を勇気づける。すると傍にいた鳴瀬が夫の死骸から差添を引き抜き、自分の喉に突き立てる。鳴瀬は大蔵卿を愚かな主人と侮って仕えていた事を悔やみ、もし自分が生き延びたなら大蔵卿の秘密を漏らすのではと疑われることが悲しく、また悪事を企てた夫の後を追って冥土で改心させたいと言って息を引き取る。大蔵卿は鬼次郎に餞別の太刀を与え、鬼次郎夫婦を励まして送り出す。

五段目
舞台は都、五條橋。
雨中、鬼次郎は五條橋へとやってくる。橋の向こう側から鬼三太がやってきて、義朝公の菩提を弔うため牛若丸がこの橋で千人切りをしていると言う。しかし、この話しが平家に漏れ、密かに討手が差し向けられたと聞いた鬼三太は、万一の事があってはと牛若丸を連れて帰るつもりであると言う。そこへ皆鶴も現れ、牛若丸を止めるために後を追いかけて来たという。牛若丸を探す広盛は手勢を引き連れ五條橋にいた一行をとりまく。鬼次郎兄弟は太刀を抜いて戦い、形勢不利となって逃げ出した広盛たちを追いかけて行く。やがて橋には牛若丸があらわれ、皆鶴は牛若丸が父の菩提を弔うためと称して千人切りを行うのは非道であるし、先々大事が控えている身なので今夜は戻って欲しいと頼む。牛若丸は千人切りとは言っても何の罪もない人を殺した事は無く、器量すぐれた人物を探し出すために行っているのだと諭す。牛若丸は是非味方にしたいと望む人物も九百九十九人まで集まったので、あと一人を探し出さないうちは帰るつもりは無いと言う。まして鬼次郎兄弟が広盛を相手に戦っていると聞けば帰るわけにはいかないと言って、皆鶴とともに橋の傍らに佇む。そこへ牛若丸の噂を聞いて、自分の家来にしようと弁慶がやってくる。腕のたつものが欲しいと独り言を言いながら橋を渡ろうとすると、女姿の牛若丸が橋に立って弁慶が右に行こうとすれば右に、左に行こうとすれば左へと行くてを遮り翻弄する。そして、すれ違い様に長刀を蹴り上げられた弁慶は、さてはと身構え戦いはじめる。しかし弁慶の攻撃は全て牛若丸にかわされ、とうとう長刀を打ち落とされてしまう。途方に暮れる弁慶のもとに鬼次郎、鬼三太が駆け寄り再会を喜ぶ。鬼次郎兄弟から戦った相手が牛若丸であると知らされた弁慶は畏まり、自らも家来にして欲しいと頼む。牛若丸は千人目の家来となった弁慶を喜んで迎え、弁慶は広盛を討ちとり親の仇を討つ。